非専門分野での修理作業ということ


先日、MDラジカセの修理についてご依頼がありました。
弊社では中古カーオーディオの有効活用を提案する商品を展開していますので、
同様な機能を持つMDラジカセも修理ができないかというご相談でした。
当該MDラジカセは製造元でも修理ができない物となっており、 気に入って
使っていたのでなんとか直らないかということでした。

 

たいへんうれしいご依頼でしたが、自社製品ではない物の修理はできることが
限られていますので、どこまでご期待に添えるか不安でもありました。
結果的には、内部のMDローディングメカの引っかかりを緩和することで、
何とか使えるようになりました。弊社技術部門は電子回路設計に関わるハード・
ソフトの専門集団なので、正直申しまして、このようなメカ不良は不得意な
分野となります。今回のケースは精密な機構動作箇所ではなかったので、たい
へん幸運でした。

 

「設計の仕事してます」 と言うと、どういうわけか色々な物の修理を頼まれます。
設計といっても電子回路の設計を業としていますから、何でもかんでも直せるわけ
ではありません。また、回路にしてもアナログ、デジタルの区分けから始まり、
HDL記述の論理設計物まで含めると似ても似つかない物となる、たいへん広い分野
でもあります。

 

しかしながら、エンジニアではない一般の方々から見ると、どれも電気で動く家電
としか区分されません。そんなわけで、職場を離れた私事においても「おもちゃ」
からはじまり、扇風機、エアコン、テレビ、パソコン、ありとあらゆる電気製品
について修理できませんか?と尋ねられます。

 

それに加え、技術屋という気質は壊れているものを放ってはおけなくなる性分らしく、
「壊れてる」という話しを聞くと「直してみましょうか」と言ってしまうことが
多いのです。

 

こんなこともありました。
「Macが立ち上がらないので困った。データを回収したいのに修理できないと言われた」
「ではハードディスクだけ取り出して他のコンピュータにつないでみましょう」
まあ、これも修理みたいなもんです。それだけでも喜んでいただけますので、
やりがいがあるというものです。

 

メーカー、あるは専門の修理業者であれば、作業内容に責任と保証の問題があります
ので、どんなに簡単な修理と思われることでも、大がかりな保証体制と正規部品を
使用しなくてはなりません。規定から外れるような修理内容は絶対に行えません。
ユーザーからみるとなんとも不親切ですが、これは致し方ない事でもあります。

 

前述のような不具合発生に対応した例は、どれも弊社の非専門分野での修理作業と
なるので会社業務として正式にお受けしたことではありません。したがって長期に
亘って今後の動作を保証させていただくわけには参りませんが、普段から使っている
家電が壊れて困ってしまった方々に対して、何らかの形で救済のお手伝いができる
ことはたいへんうれしい事です。

 

ですから、何か壊れて困ってことがありましたら、まずご相談ください。修理まで
できなくても、何かお役に立てることがあれば請け負います。

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2015年2月27日 | カテゴリー : 基本技術 | 投稿者 : ハードちゃん