【解説】カーオーディオ パワーアンプを自宅で使うには

カーオーディオのパワーアンプは持っているけど、パワーアンプ単体では・・・

と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、カーオーディオのパワーアンプをホームオーディオのプリアンプや携帯音楽プレイヤーなどと接続することで自宅でパワーアンプが使うことができます

はじめに、カーオーディオのパワーアンプにホームオーディオのプリアンプを接続する基本構成でご説明し、その後応用例をご説明します
なお、カーオーディオのデッキタイプとパワーアンプからなる「カーオーディオシステム」については、「デッキタイプのカーオーディオを使う」にカーオーディオシステムについて記載しております。あわせてご覧下さい。

【記載内容】


アンプ内蔵タイプやデッキタイプ、その他機器のご使用を考えられている方はこちらのページをご覧下さい

    


本題に入る前に、ここで大切な余談、カーオーディオのパワーアンプに接続できる機器について少しお話しします

ご存じの通り、パワーアンプは入力された音声信号を増幅してスピーカーを鳴らす機器で、音量調整はついていません
車でパワーアンプを使っている時、ちゃんと音量調整ができるのは、ヘッドユニットのボリュームで音声信号の大きさを変え、その信号をパワーアンプに渡しているためです
このヘッドユニットが出すボリュームにより調整される音声信号出力を「プリアウト」といいます(厳密には音量だけでなく、音質調整などもされています)

もし、調整した音声信号出力がない、つまり「プリアウトがない」ヘッドユニットをパワーアンプに繋いだら・・・。パワーアンプは入ってきた音声信号をそのまま増幅するので、いきなり大音量で音が鳴り、最悪スピーカーを壊してしまいます

このように、パワーアンプに接続できる機器は、音声信号の大きさが変えられる機器、つまり「プリアウト」が出せる機器になります。
例えば、上図のようにカーオーディオのデッキや、ホームオーディオのプリアンプ(コントロールアンプとも言われます。プリメインアンプではありません)には、「プリアウト」があるのでパワーアンプに接続することができます
また、プリアウトはありませんが、携帯音楽プレイヤーやスマートフォンのヘッドホン出力は、音声出力の信号レベルが小さく、加えてボリュームで音量調整ができるため、パワーアンプに接続して使用することができます

一方、ホームオーディオのデッキやプリメインアンプの「LINE OUTやAUXOUT等」、一部のプリメインアンプにある「プロセッサアウト」などは、ボリュームに関係なく、音声信号がそのまま出力されるので、直接パワーアンプに接続することはできません

ご注意
繰り返しになりますが、プリアウトがない機器は絶対にパワーアンプに接続しないで下さい。大音量で音が鳴り、最悪スピーカーを壊します

と、少し余談が長くなりましたが、それではパワーアンプを自宅で使う方法についてご説明します

■カーオーディオパワーアンプにホーム用プリアンプを接続して自宅で使う(基本構成)

カーオーディオのパワーアンプの多くは、RCA(アンバランス)での接続です。この場合、接続するプリアンプにはプリアウトのRCA出力(アンバランス出力)が必要です
なお、一部パワーアンプにはバランス入力できる機器もあります。この場合はバランス出力できるプリアンプが接続できます

○使用する端子

カーオーディオのパワーアンプは、ヘッドユニットのように電源コードが出ているわけでなく、パワーアンプ本体に電源コード等を接続する端子があるだけです

電源端子の形状はメーカーや機種によって異なっており、Y端子で接続するもの、剝き線をネジでかませるもの等があります。端子部分に記載されている表記も、バッテリの+側は、「+」や「14.4V」、マイナス側は「-」や「GND」、リモートを接続する端子も「REMOTE」や「CONTROL」、「ON」など様々です。端子の配置も機器毎に異なっています

また、パワーアンプの音声入力の表記についても、電源端子と同じように、INPUT1~4と記載しているものや、FRONT L/R、REAR L/R、INPUT CH A/Bなど様々です

ですので、接続する前に必ずお手持ち機器の取扱説明書、取付説明書にて確認して下さい

なお、本説明では、バッテリの「+側」に接続する端子を「+端子」、バッテリの「-側」に接続する端子を「-端子」、デッキなどと連携するためのリモート端子を「REMOTE端子」、音声入力については、FRONT L/R、REAR L/Rと表記しています

○配線方法

カーオーディオ用パワーアンプと、ホーム用プリアンプの接続について、弊社大容量ACアダプターP-12V210を用いた接続図にて配線方法ご説明します。なお、図中破線部分はP-12V210です

ご注意
配線する場合は、接続する機器の電源を必ず切った状態で配線し、配線に間違いが無いことを確認した上で、後述する「使用にあたっての注意事項」に示す順序で各機器の電源を入れて下さい

●電源関連とリモートの配線

Pionner製 RS-A9X(パワーアンプ)への電源供給 真ん中の赤、黒コードが電源、両脇はスピーカーコード

接続図のようにACアダプターの+12Vとパワーアンプの「+端子」、ACアダプターのGND(グランド)とパワーアンプの「-端子」を接続します

パワーアンプは他のカーオーディオ機器と比較して消費電力が大きいため、「+端子」、「-端子」に接続するコードはパワーアンプの消費電流にあったコードを使用します。なお、電源コードの長さはできるだけ短くすることをお薦めします

パワーアンプの「REMOTE端子」は、スイッチを介してパワーアンプの「+端子」と接続します。これはスイッチによってパワーアンプのON、STANDBYを切替えるためです(パワーアンプを使う時にはON、使用しない時にはSTANDBYにする)

なお、REMOTE端子には大きな電流は流れませんので、パワーアンプの「+端子」、「-端子」に接続するような太いコードを使用する必要はありません
また、パワーアンプ動作中は「REMOTE端子」と「+端子」は同電位(+12V)になりますが、「+端子」と「REMOTE端子」では流れる電流が異なりますので、ACアダプターの「+12V」は必ずパワーアンプの「+端子」に接続します

その他機器固有の端子(たとえばMcIntoshのPG等)がある場合には、必要に応じてその端子にコードを接続します

ご注意
パワーアンプの電源コードには大きな電流が流れるため、必ず電流相応のコードを使用して下さい(細いコードを使用するとコードが発熱するなどの原因となります)

○使用する電源

パワーアンプの消費電流に見合う電源を選びます
なお、取扱説明書に記載されている定格電流はその機器の設計上の最大電流値であるため、通常この定格電流が必要となることはありません
また機器や車載時の電源コードについている「ヒューズの定格電流」も、短絡などにより大きな電流が流れた場合に、機器を保護するために取付けられたもので、通常この電流が流れることもありません

もっと詳しく:電源コードのヒューズについて
例えば、弊社大容量ACアダプターP-12V210は、12V/21A、250Wの電力を供給することができます。万一、定格電流を越えた場合や短絡(ショート)した場合、p-12v210は直ちに電力供給を停止し、正常な状態になった時点で自動復帰します

このように、コードについているヒューズ(たとえば定格30A)がACアダプターの定格電流以上、かつ過電流が流れた場合にACアダプターが電力供給停止する場合には、コードにヒューズをつける必要はありません(ヒューズがついている場合、はずす必要もありません)。これはヒューズが切れる前にACアダプターが電力供給を停止するためです

右写真はMcIntosh社製パワーアンプMCC404にP-12V210から電源を供給しているところです

 

○音声関連の配線

ホーム用プリアンプのプリアウトをパワーアンプのFRONT/LR、あるいはREAR/LRと接続します。
プリアンプ背面にGND端子がある場合には、プリアンプのGND端子と、パワーアンプの「-端子」を接続します
スピーカーも該当する端子に接続します

使用にあたっての注意事項(電源を入れる順序)

ACアダプターを抜差しする場合は、必ずパワーアンプがSTANDBYになっていることを確認した上で、ACアダプターを抜差しします
電源を入れる際には、パワーアンプがSTANDBY(あるいは電源が切れている状態)であること、プリアンプのボリュームが絞られていることを確認した上で、はじめにプリアンプのスイッチを入れ、次にパワーアンプをONにします。そして、徐々にボリュームを上げて音量を調節します
電源をオフ(STANDBY)にする際は、はじめにプリアンプの音量を「0ゼロ」にした上で、パワーアンプをスタンバイにし、プリアンプの電源を切ります(電源を入れる時の逆になります)

○弊社製品大容量ACアダプター「P-12V210」について

P-12V210にてPionner GM-D7400を動作

パワーアンプの電源として使える大容量タイプ、12V/21A(250W)のACアダプターです

PSE適合はもちろん、短絡保護、過電流保護、過電圧保護など安全機能も充実しています
また、米国エネルギー省(DOE) エネルギー効率レベルⅥに対応、無負荷時の待機電力は0.5W未満と高効率です。冷却用ファンもなく、動作音は静か、音楽の邪魔をしません。もちろん、フィルター掃除もありません

P-12V210には、「ネジでコードが取付けられる中継端子をつけた標準品」の他に、「ご使用の構成にあわせた電源コードと、簡単な配線説明書をご提供するカスタム品」もございます

ご自宅でご使用になりたい機器をお知らせいただければ、必要な電源や配線などをご提案させて頂きます。お見積は無料です。お気軽にお問合せ下さい

P-12V210(12/21A 250W大容量ACアダプター)

お問合せはこちら

■スマートフォン、携帯音楽プレイヤーなどの音楽を聴く

パワーアンプの応用例として、カーオーディオ用パワーアンプを使って、スマートフォン(スマホ)や携帯音楽プレイヤーを接続して、スピーカーで音楽を楽しむ例についてご説明します

下図は、スマホとパワーアンプの接続図です
スマホと接続できるパワーアンプはアンバランス(RCA)のみです。もしお手持ちのパワーアンプにバランス入力しかない場合は、一般的なスマホや携帯音楽プレイヤーと接続することはできません

電源回りの接続方法は、基本構成で説明した「ホーム用プリアンプの接続」とほぼ同じです。違う点としては、プリアンプ背面にGND端子があった場合、パワーアンプの電源の「-端子」と接続しましたが、スマホと接続する場合はこの接続はありません

音声コードの接続もプリアンプを接続した時と同じですが、接続するコードがステレオピンプラグ-RCA変換コードになります

なお、使用する電源や電源コード等については、前述のホーム用プリアンプ(基本構成)を参照して下さい

●使用方法

スマホを繋ぐときは、必ず、パワーアンプを「スタンバイに」し、スマホのボリュームを「0(ゼロ)」にした上で携帯音楽プレイヤーのヘッドホンジャックにコードを差し込み接続します。次にパワーアンプを「ON」にし、スマホボリュームを徐々にあげていきます(急に音量をあげないで下さい)
スマホを外す時は、必ずパワーアンプを「スタンバイ」にしてからヘッドホンジャックからコードを抜きます

また、携帯音楽プレイヤーを接続していない時は、必ずパワーアンプを「スタンバイ」にして下さい

ご注意
スマホを抜差しする際、またスマホを接続していない時は必ずパワーアンプを「スタンバイ」にして下さい。パワーアンプをONにした状態で抜差しすると、大きなノイズ音が鳴る、最悪スピーカーを壊すことになります

参考:ステレオミニ-RCA変換ケーブル(Amazon 新しいウィンドウが開きます)

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